端の知識の備忘録

技術メモになりきれない、なにものか達の供養先

やっと買えたRTX 3080 ~msi Ventus 3X 10G OC を試す~

背景

かれこれ発売から2週間以上経った現在もなお品薄が続く、NVIDIAのグラフィックボードRTX 3080

発売日から各ECサイトに張り付き続けた結果ようやっとmsi Ventus 3X 10G OC を買うことができたので、軽いレビューをしようと思う。

ぶっちゃけ今回は3年保証と背面にファンを追加できるという謎ギミックを持つ最高にクールな玄人志向(GALAX)のボードを狙っており、RTX 3080とRTX 3090両方とも発売日当日からヨドバシで予約をしていたのだが、全然入荷せず。

ふと10/2の日付が切り替わる瞬間にヨドバシを見てみたら、OC版のmsi Ventusがちょうど登録されたところに出くわしてポチってしまった。

結局そこから在庫に引き当たるまで待つこと2日間、先に注文していた玄人志向よりも早く届く結果となった。お値段116,110円(税込、ポイント11,611付き)なり。

まとめ

  • ファーストインプレッションはとにかくでかい。CM690iiiだと組み付け時に2.5インチのケージを取り外す必要がある。

  • 国内代理店はおなじみアスク。国際的には3年保証らしいが、国内保証は1年。ひどい。1ドル150円とってやることじゃねえと思う。

  • 付属品にVGAステイがついているので買う必要なし。

  • 公称値Boost: 1740 MHzだが、GPU-Z表示だと大体1800MHzオーバー、さらにスパイク的に1950MHzまでいく。

  • 温度はベンチ中でも80度未満。ファンの音も殆ど気にならない(個人的感想)。

  • 消費電力はベンチ中330Wを記録!R9 390Xを使っていた頃を思い出す凄まじい消費電力。

  • 性能はとてもいい。FF14 4K最高品質だと人の少ないエリアなら60張り付きで安定。ただ人の多いリムサでは60を割ることもありちょっと残念。まあCPU(TR 2920X)の問題かも?

組付けの様子の詳細やベンチ(Firestrike ultra, Timespy, SteamVR パフォーマンステスト, FF14 4K最高品質)の結果が気になる方は下も見ていってね!

RTX 3080を買うためには

諦めずにサイトを巡回するしかない。自分はヨドバシ、PC4U、ひかりTVショッピング、NTT-X、オリオスペック、アーク、ツクモドスパラパソコン工房ソフマップビックカメラ、アマゾン(日本、アメリカ、ドイツ、フランス)などなどとにかくいろんなサイトをウォッチしてました。

ちなみにこの中でヨドバシとNTT-Xあたりは割とずっと予約というか納期未定で注文受付をしてくれているので、もう見て回るの疲れてしまったら発売日がなるべく新しいやつをどっちかで注文かけてしまって、入荷を待つというのも一つの手かもしれません。

自分もクロシコのRTX3080と3090を発売日当日からヨドバシで注文して待っていました。正直RTX 3090買うなら浮いた10万でソフト買いたいと思っていたのですが、RTX 3080一択だと中々すぐには手に入らなさそうだったので、とりあえずRTX3090も予約。

Big Naviの発表までにどっちも買えないなら、その時はAMDerらしく大人しくBig Navi買おうと思っていたが、予定外にMSIのRTX 3080が買えてしまったので今年のグラボ入手競争からはとりあえず脱出できました。

※追記 結局6900XTの魅力には勝てなかった……。3ヶ月位使った後こいつは売っぱらってリファレンスの6900XTに買い替えたという続きのおはなし。

RX6900XT買えたのでRTX3080と比較! - 端の知識の備忘録

まあ次はZen3やPS5の奪い合いが始まりますけどね。。。転売屋がいなけりゃもうちょいマシだろうになあ。

開梱!

改めてmsi Ventus 3X 10G OC (国内型番: VD7371 JAN: 4537694286411)のスペックをまとめます。

Model NameGeForce RTX™ 3080 VENTUS 3X 10G OC
Graphics Processing UnitNVIDIA® GeForce RTX™ 3080
Interface PCI Express®Gen 4
Cores8704 Units
Core Clocks Boost1740 MHz
Memory Speed19 Gbps
Memory10GB GDDR6X
Memory Bus320-bit
OutputDisplayPort x 3 (v1.4a) / HDMI 2.1 x 1
Power consumption320W
Power connectors8-pin x 2
Recommended PSU750W
Card Dimension (mm)305 x 120 x 57
Weight (Card / Package)1370g / 1986g
DirectX Version Support12 API
OpenGL Version Support4.6
Maximum Displays4

データはこちらから。 www.msi.com

書いてあるとおり2.7スロット厚1370gという超重量級。持ってまず思ったのが重い。そして分厚い。つまりデカい

Ventusでこれだと最近発表された4スロのGigabyteのやつとかどんな感じなんだろうか……

これうちのケースに入るのかなあという不安がよぎるサイズでした。

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本体と付属のステイ。ステイはグラボを刺した下のPCIスロットカバーの上からネジ止めする専用品のようだ。 f:id:hashicco:20201005220848j:plain

今まで刺していた玄人志向 RTX 2070 miniとの比較。まるで2070が1050くらいに見える(意味不明)。

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最近何かと騒がれているキャパシタ問題はここの写真からわかるのであろうか?

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MSIの公式発表によると

MSI stands behind its design decisions for its GeForce RTX 30 Series graphics cards catalog which consists of GAMING models and VENTUS models. MSI utilizes a mixed capacitor grouping in its designs to benefit from the strengths of both SP-Caps and MLCCs. All MSI GeForce RTX 30 Series cards that have shipped out since the beginning of production, which include media review samples, feature the PCB configurations as shown in the updated images below. https://www.overclock3d.net/news/gpu_displays/msi_issues_statement_regarding_reported_instability_with_geforce_rtx_30_series_gpus/1

MSIはGamingとVENTUSよりなるGeForce RTX 30シリーズの設計を支持しています。MSIはMLCCとSP-CAPs両方の強みを生かした混合キャパシタを採用しています。レビュー用のサンプルを含め、生産開始より出荷されたすべてのMSI Geforce RTX 30シリーズは下の画像に示すようなPCB構成となっています(超意訳)。

とのこと。私の手に入れたRTX 3080 VENTUSは、MSIの声明通り引用元のページのImage 5.と同じもののようです。MLCC 10個+SP-CAP5個パターンということですかね?

組み込み!

さていよいよ取り付けます。

ケースは先述の通りCooler MasterのCM690iii。デカめのミドルタワーケースといったところで、一応最大423mmのビデオカードが入ると書いてある。Cooler Master: CM 690 III

並べてみると、ほんとに入るのかこれ……?という感じ。

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サイドカバー開けて並べてみると、2.5インチケージついてるとどう頑張っても入らない!

どうこねくり回してもPCIのブラケットが引っかかってしまいそのままでは入らない。仕方がないので2.5インチケージは取り外すことにした。

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まあケージ外せば余裕で入りました。

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続いて付属のVGAステイを取り付け。なんかあんまり支えられてる気がしない……。取り付け時にはなるべくボード側にステイを押し付けながらネジ止めしました。

ついでにRX Vega 使用時に使っていた長尾のVGAステイも取り付けて万全の体制にしました。

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ちなみに最初に取り外した2.5インチのケージは、後付すればギリギリ付けられそう。ただ当然付けたらグラボ外すときケージもまた外さなきゃならず面倒だし、もうNASも買って内蔵ドライブ殆ど使ってないので外したままにします。

唯一付けていたSATAドライブのMX500 1TBは3.5インチケージに移動させました。

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なんか写真だと配線すごい汚く見えてますけど、ちゃんと蓋閉じる前にはきれいにしてやりました(言い訳)。

ベンチマークの測定環境

  • OS: Windows10 Home
  • CPU: Ryzen ThreadRipper 2920X
  • MB: Asrock X399 phantom gaming 6
  • RAM: 16GB*4
  • システムディスク: HP EX950 NVMe 500GB
  • ドライバ: 456.55

GPUはすでに写真で出しちゃいましたが、玄人志向 RTX2070 miniを比較として使用しました。

CPUがあんまりゲーム向きじゃないのである意味珍しいベンチになるかも。

ベンチマーク結果

  • Timespy

DX12のベンチ、Timespyの結果から。

残念ながら4K版のDLCは買ってないので、ノーマルのTimespyの結果です。

RTX2070 f:id:hashicco:20201005231241p:plain

RTX3080 f:id:hashicco:20201005231329p:plain

なんか3D MarkのページにアップロードされてるRTX 3080のスコアが17000とかなんで、よほどCPUが足をひっぱているのでしょうか?せっかくのThreadRipperなのに悲しみ……。DDR5まで待とうと思ってたけど、Zen3買っちゃおうかな。

とはいえRTX2070からGraphics Scoreが約1.8倍になってますので大満足。

  • Firestrike Ultra

DX11のベンチ。こっちは4K版があるので4k版を実行

RTX2070 f:id:hashicco:20201005232149p:plain

RTX3080 f:id:hashicco:20201005232512p:plain

こちらもRTX2070からGraphics Scoreが約2倍。伊達に10万しない。

ちなみにRTX3080の温度はMAXで77度でした。Core Clockはほぼ常に1800MHz以上で、ときたまスパイク的に1950MHzくらいまで行ってます。

GPU-Zで読んだ消費電力は、アイドル時が22Wでベンチマーク実行時は圧巻の330W。最近はCPUの消費電力も上がってますので、ハイエンドなら750W以上のPSUは必須の時代に逆戻りといった感じでしょうか。

やっぱり自分はR9 290とか390みたいな爆熱・値段の割に高い性能なボードが好きだったので、それと同じ匂いを感じるAmpereは結構好みかも。まあ全然安くないってところが残念ですが。

  • SteamVR パフォーマンステスト

ついでにSteamのVRテストをやってみたところ、なんとカンストしてしまった。

まあ推奨が確かi5 4670K+GTX970とかのテストだったはずなので、さもありなんといった具合。 f:id:hashicco:20201006005358j:plain

しかし、こう見るとVRもマシンスペック的には全然問題ない時代になったのですねえ。あとは片目4Kパネルのゴーグルと、それを無線で送信できる技術があればVRの時代が来ると思う。

続いてFF14ベンチ。最高品質4Kでまともに動くと嬉しい!

RTX2070

SCORE: 6723 平均フレームレート: 45.17895 最低フレームレート: 15 評価: とても快適 -とても快適な動作が見込めます。グラフィック設定をより高品質に設定しても、とても快適に動作すると思われます。 ローディングタイム: シーン#1 2.194sec シーン#2 3.701sec シーン#3 4.424sec シーン#4 3.032sec シーン#5 1.511sec 合  計 14.862sec

RTX3080

SCORE: 10769 平均フレームレート: 78.03109 最低フレームレート: 38 評価: 非常に快適 -非常に快適に動作すると思われます。お好みのグラフィック設定でお楽しみください。 ローディングタイム: シーン#1 2.387sec シーン#2 3.659sec シーン#3 4.345sec シーン#4 2.916sec シーン#5 1.583sec 合  計 14.89sec

こちらもスコアが1.6倍に。なにより最低フレームレートが30超えたのがとてもいいですね!

2070だとFF14ベンチの序盤の罪喰いと戦ってるシーンで明らかにカクカクしてたのが、3080にしたところかなりマシになりました。Freesyncと合わせれば、フレームレートの低下はだいぶ気にならなくなりそう。

最後にFF14の実際のプレイでのFPSを測定。設定は最高品質4K、フルスクリーンです。

RTX2070のときはめちゃめちゃ設定を落としてなんとか4Kでプレイしていましたが。。。

とりあえず、人の少ないグリダニアでは、どんなに視点をグリグリ動かしてもほとんど60fpsを維持!感動!

しかし、残念ながらリムサのエーテライト前では60FPSには至らず……。大体45~55FPSを推移していました。

プレイ中の消費電力は一応300W以下でしたが、それでも高めな270W前後

どうでもいいですが真ん中の凛々しいハゲが私のキャラです。交友関係狭いから身バレはないだろうけど、万が一見かけても放っておいてください笑。

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まあこれだけFPSが出ていれば、大体最高品質4Kで遊べると言って良いでしょう!10万出した価値があったかはわかりませんが、FF14の最高品質4Kプレイが現実的になったというだけで大満足です。

あとがき

しかし最近出費がやばい。Naga Proに最近抽選にあたってしまったので買ったSwitchに、Oculus Quest2も予約しちゃったし……。まあ冬のボーナスの前借りよね……。

あとはCPUなんとかしないとなあ。早くDDR5のThreadRipper出ないかな。Zen3になびいてしまいそう。ああ、また出費が……。