端書
ブログでもちょこちょこ書いているように、GPU(RX6900XT→RTX4090)、CPU(5600X→5800X3D)などメインマシンのパーツを割りと頻繁に変えながら使ってきたのだが、マザボやCドライブの変更を伴わなかったので1年半近くOSをクリーンインストールしていなかった。
Win11もそろそろ安定してきた頃だろうし、昨年末AMDのZen4世代の7000番代CPUやIntelの13世代CPUが登場しチップセットやメモリの世代も新しくなったし、OS入れ替えのついでというのを言い訳にPCの更新をすることに。
5800X3Dで3D-Vcacheの威力を思い知っていたので、他のパーツをディアゴスティーニ方式で集めながらZen4世代の3D-Vcache搭載CPUが出るのをやきもきしながら待っていたところ、ようやくグローバルでは先月末の2023/2/28に7950X3Dが発売された。
ただ、国内の発売日当日(2023/3/3)は普通に仕事だったため11:00の争奪戦に参加すらできず買えない結果に……。そこから暇があれば商品登録が行われていなかったPCパーツ取り扱いのある通販サイト(Amazon.co.jp、NTT-Xなど)を巡回していたのだが、結果的に3/10のちょうど職場の昼休憩の時間中ジョーシンのネットショップで30分近く7950X3Dが販売されていたので、ここで入手することができました。
発送もスムーズに行われ、土日に商品が着荷したので早速PCを組んでベンチを取ってみたというお話。
比較対象は今持っているRyzen7 5800X3Dなので、同コア数の比較でRyzen9 7950X3DのCCD0のみ, CCD1のみのベンチも取ってみたので興味があれば下へどうぞ。
まとめ
ベンチの結果から見ると、ゲーム性能は圧巻。5800X3Dから比べてIPC向上・周波数上昇・コア数倍増の効果もあり、文句なしにハイエンドと言えるCPU性能。
私の構成ではファンを変更した忍者5による空冷で7950X3Dを運用しているが、割りと無理なく使えていると思う。
国内定価を見るとまだ割高感はあるものの、ゲームをするなら3D-Vcacheの効果はちゃんとあるし、ヘテロな構成のお陰でシングル性能も悪くなく、マルチの性能はトップクラス、と現行世代コンシューマハイエンドとして所有欲の満たされる一品。十分買う価値のあるCPUであると思う。
構成
結局数年交換していなかったPCケース、電源も含めてパーツを大幅に更新しました。
- PCケース: CoolerMaster CM690 Ⅲ→ Fractal Design Torrent ¥30800 @アークオンラインストア
- 電源: Corsair RM1000x→ CoolerMaster MWE GOLD 1250 V2 ¥30247(5746ポイント還元)@ NTT-X
- マザーボード: MSI B550 GAMING PLUS→ MSI X670-P WIFI ¥29776(1786ポイント還元) @Amazon アウトレット
- メモリ: DDR4 3200MHz 4x16GB→ Micron 4800MHz 2x32GB ¥25980(5217ポイント還元) @ジョーシン(ヤフショ)
- CPU: 5800X3D→ 7950X3D ¥111800 @ジョーシン
- ついでにHyperVを使えるように、Windows10 HomeからWindows11 Proに買い替え ¥21964@Amazon
以下のパーツは流用しました。
- GPU: ZOTAC RTX4090 Trinity OC ¥301020
- SSD1: ADATA XPG GAMMIX S70 ¥27980
- SSD2: Micron MX500 1TB ¥12000くらい?
- CPUクーラー: 忍者5、ファンはAINEX Omega Typhoon 高速タイプに変更 合計¥10000くらい?
これらパーツの合計金額は約600000円……。改築を繰り返して結果的に現世代の標準的なハイエンド構成に落ち着いたと思うが、なかなかのお値段。
自分が自作を始めたIvy Bridge時代から考えると、コンシューマのハイエンドの値段はめちゃくちゃ上がってると言わざるを得ない。当然性能は上がっていますが、もう学生じゃ簡単に手が届かない金額ですね。
ベンチマーク
取ったベンチマークは以下の通り
- CineBench R23
- 3DMark
- TimeSpy Extreme, 無印
- FireStrike Ultra, Extreme, 無印
- CPU Profile
- CPU-Z
- VRMark
- PCMark10
- FF14ベンチ(4K, ウルトラワイド3440x1440)
- ブループロトコルベンチ ウルトラワイド3440x1440
スコアの表中に出てくる"7950X3D CCD0"は3D-Vcacheがある方、"7950X3D CCD1"はない方です。Ryzen Masterを使うことで片方のCCDのみ有効化にすることが可能です。
ちなみに5800X3Dの方はケースが違うので、ちゃんと冷やしきれておらず少しスコアが平均より低めです。
CineBench R23
5800X3D | 7950X3D | 7950X3D CCD0 | 7950X3D CCD1 | |
---|---|---|---|---|
Multi Core | 13568 | 34937 | 18099 | 19621 |
Single Core | 1450 | 1945 | 1840 | 2019 |
3DMark
- グラフィックス系 - Total -
5800X3D | 7950X3D | 7950X3D CCD0 | 7950X3D CCD1 | |
---|---|---|---|---|
TimeSpy Extreme | 13405 | 17488 | 14369 | 14911 |
TimeSpy | 25562 | 28466 | 28969 | 28674 |
FireStrike Ultra | 23078 | 24392 | 24130 | 24207 |
FireStrike Extreme | 35055 | 40053 | 38967 | 38294 |
FireStrike | 46847 | 53511 | 55004 | 53800 |
- グラフィックス系 - Physics, CPU -
5800X3D | 7950X3D | 7950X3D CCD0 | 7950X3D CCD1 | |
---|---|---|---|---|
TimeSpy Extreme | 4972 | 11534 | 5933 | 6584 |
TimeSpy | 9817 | 14413 | 1840 | 12841 |
FireStrike Ultra | 25363 | 41934 | 33127 | 35575 |
FireStrike Extreme | 25901 | 42029 | 33280 | 35550 |
FireStrike | 25994 | 42050 | 33318 | 35274 |
- CPU Profile
5800X3D | 7950X3D | 7950X3D CCD0 | 7950X3D CCD1 | |
---|---|---|---|---|
16 Threads | 6682 | 12910 | 8111 | 9126 |
8 Threads | 4939 | 7548 | 6603 | 7370 |
4 Threads | 3169 | 4225 | 3748 | 4184 |
2 Threads | 1653 | 2185 | 1887 | 2136 |
1 Threads | 858 | 1107 | 962 | 1119 |
FF14
一部レポート出力忘れてFPSの情報がわかりません。
ただ、一番CCD0とCCD1のスコアが異なったのがこのFF14ベンチ。2割以上のスコア差が生じています。
また、興味深いことにCCD0のみに絞ったほうが全コアを使ったときよりもスコアが高いです。コアの振り分けがうまく行っていないのか、9コア以上のスケーリングが良くないのかわかりませんが、これは7800X3Dの性能にも非常に期待が持てますね。
- 4K
5800X3D | 7950X3D | 7950X3D CCD0 | 7950X3D CCD1 | |
---|---|---|---|---|
Score | 25114 | 28109 | 29077 | 23559 |
Ave. FPS | - | 187.555 | 192.6833 | - |
Min. FPS | - | 99 | 106 | - |
- Ultra wide 3440x1440
5800X3D | 7950X3D | 7950X3D CCD0 | 7950X3D CCD1 | |
---|---|---|---|---|
Score | 31843 | 34848 | 37059 | 29587 |
Ave. FPS | - | 240.9709 | 251.8916 | 218.5995 |
Min. FPS | - | 92 | 98 | 71 |
CPU-Z(v 17.01.64)
ベンチ取りすぎて疲れたので、CPU-Z、VRMark、PCMark10、ブループロトコルベンチはCCD毎の結果を取っていません。あしからず
5800X3D | 7950X3D | |
---|---|---|
Multi | 5792.5 | 15096.7 |
Single | 571.4 | 720.7 |
ちなみにCPU-Zの表示はこんな感じ。AVX512Fが命令セットに入っているのとか、5nmプロセスなのとか、Zen4らしくてテンション上がりますね。また、L3キャッシュが96MB+32MBになっているのがX3Dならではでしょうか。
VRMark
5800X3D | 7950X3D | |
---|---|---|
Orange | 15177 | 16344 |
Cyan | - | 12417 |
Blue | 11812 | 11701 |
PCMark10
5800X3D | 7950X3D | |
---|---|---|
Total | 7899 | 9746 |
Essential | 9945 | 11543 |
Productivity | 9240 | 11573 |
Digital Content Creation | 14555 | 18802 |
ブループロトコル
こちらは最近出たと聞いたので試しにやってみました。ランチャー画面、設定項目、レポート出力機能など、すごくFF14みのあるベンチです。
こちらは画面の選択機能がなく解像度切替が面倒だったので、ウルトラワイドのみで実行しました。
また、CPUに関係なくスタッターが生じる現象が確認されました。最小FPSはあてにならないと思いますので載せません。
5800X3D | 7950X3D | |
---|---|---|
Score | 33755 | 34940 |
写真
前回の5800X3Dは箱がスカスカでしたが、今回はマグネットで蓋が閉まる少しいい箱に入っています。
久々に色々とパーツを変更。マザボが高いのが今世代のAMDのがっかりポイントですが、Amazon アウトレットにてX670で3万以下のものを見つけて買ってみたところ、問題なく動作しました。自分が使っている10G NICがPCIe x8の接続を持つので、RTX4090に潰されない位置にPCIe x16スロットがあるものを選択。ただ、今回購入したX670-P WiFiは一番下のスロットがPCIe4.0 x2接続らしいので、残念ながらNICのフルスペックは出ません。
とは言えX670でスロット多くて3万以下は珍しいので、買えてよかったと思います。
今回フルタワーのTorrentにケースを変更。自分は空冷主義なのでずっとこのケースが気になっており、思い切って買い替えてみました。
底面、前面から大量の空気を送り込めるので、M.2 SSDやチップセットの冷却も安心です。組み立ても裏配線スペースやケーブルを通す穴がたくさんあるので非常にやりやすい。電源も12VHPWRに対応しているものを買ったので、非常に表の見栄えがスッキリしました。
ただ、SSD, HDDを裏配線スペースに配置するので、曲げにくいSATAケーブルをマザボまで持っていくのが非常に大変。今回のマザボに至っては4本もM.2を挿せるので、もう内蔵ストレージはすべてM.2にしてしまいたい。
※ちなみに画像だと一番下のM.2にSSD指してますが、ここはPCIeスロットとレーンを共有するため併用できません。後で一番上に移し替えました。